大企業はスキルがつかない?身につかない?
いやいや、そんなことはありません。
大企業と中小企業で身につけやすいスキルは違うかもしれません。
が、大企業でも身につくスキルがありますよ!
大企業に9年勤めた私「みりん」が、実際に大企業を辞めて、外の世界に出て気がついた、私が大企業で身につけた実際のスキルについて紹介していきます。
大企業がヒトを育てるサポート体制は?
日経WOMANキャリア調べによると、世界的にも競争力の高い企業が社員1人当たりの研修費をかけていると紹介しています。
1位のDMG森精機は、なんと58万4,905円も研修費をかけているようです!
私が在籍した会社はDMG森精機社ではないですが、それなりに人材研修にコストを掛けていたと思います。
私が入社した大企業では、メンター制度のようなものがあり、5年〜10年上の先輩が日々の仕事内容や会社での悩みを相談する制度がありました。
大体2年間は、その先輩に身近なことを相談するイメージです。
その他にも、外部講師を招いた研修や、外部のクラスに行っての研修などがありました。
9年間在籍した会社ですが、最初の1〜2年はかなり研修が充実していたと思います。
私が大企業で身につけたスキルは?
大企業に9年間働く中で、下記で述べる5つのスキルをメインで身につけることができました。
一般的なスキルでもあるので、大企業でないと身につけることができないスキルではありません。
言い換えると、大企業でなくても身につきます。
本ブログでは、大企業の中でどうサポートしてもらって、こうしたスキルを大企業の中で身につけたのかを紹介していきます。
社会人レベルの文章を書くスキル
大学でレポートや論文を書いていたのですが、入社当初は文章を書いて持っていくと、上司に「意味がわからない」といつも言われていました。
議事録やレポートを書いて、毎回上司に見てもらっていたのですが、いつも真っ赤に修正が入っていました。
日本語が話せても、社会人として書く文章はこんなに難しいのかと、自分の日本語スキルの低さにショックをうけました。
当時は、いちいち上司に見てもらって面倒くさいなと思っていたのですが、1年もたつと、まともに読める文章がかけるようになっていました。
また、社会人が使う単語やその使い方を覚えていたので、上司の丁寧な指導はエッセイの添削サービスのように効果があったと思います。
わざわざ1年も、文章をなおしてくれるって、かなり手間がかかること。
他の会社に入って気づきましたが、普通の会社はそんなコトしてもらえません。
中小企業はもちろんのこと、中途で入ると大企業であってもやってもらえません。
意味が通じる限りであれば、変な日本語を書いていても、文章を書くのが苦手なんだと思って終わりです。
それを考慮すると、恥をかけるタイミングで、恥を書いておいてよかったなと思います。
自分の拙いひどい日本語・英語をなおしてくれた当時の上司たちにも感謝しかないですね。
わかりやすく伝えるプレゼンテーションスキル
私が配属された部署では、1年目に個人プロジェクトを企画し、実際にプロジェクトをひとりで遂行するという新人のトレーニングプログラムが行われていました。
プロジェクトの最初と最後に、かなりの大人数の前でプレゼンテーションを行う機会があり、そのためのプレゼンテーションのトレーニングを何度設けることができました。
例えば、外部講師によるプレゼンテーションスキルの1日トレーニングから、同僚の前でのプレゼンテーションの練習など、何十回もプレゼンテーションを行いました。
同僚の前での練習を行う度に、プロジェクターが動いていなくて段取りが悪いとか、言っていることがわからない、スライドの色使いが悪い、受け答えが的を得ていないといった酷評を受けます。
当時は辛い気持ちしかなかったのですが、今となってはこのときに何度もプレゼンテーションをして、アドバイスを貰ったからこそ、今はプレゼンテーションがどちらかというと得意になったのだと思います。
留学中も英語のプレゼンテーションでしたが、笑いをとって場を和ます余裕までできたほどです。
他の会社に異動すると、プレゼンテーションの練習は行われていなくて、逆にびっくりしました。
だから、パワーポイントのプレゼンテーションスライドも読みづらいし、スライドの流れも悪いし、滑舌も悪かったり…
私もあまり人のことには口を出さないですが、これだともったいないなと心のなかで思います…
上司への提案も、お客様への提案活動も全てプレゼンテーションと考えると、プレゼンテーションスキルは本当に磨いておいて損は無いスキルだと思うからです。
みんなの力を借りて大きな事を成し遂げる、プロジェクトマネジメントスキル
最近では、アメリカだとプロジェクトマネジメントの資格としてPMPが人気を集めています。
私は、プロジェクトマネージャーとしての資格は持っていません。
が、入社してすぐの頃から、自分のプロジェクトの計画をたてて上司に進捗を報告したり、50人程度のプロジェクトメンバーをまとめて働いていた経験から、実践的なプロジェクトマネジメントのスキルはかなり身につけたと思います。
海外から来たプロジェクトマネージャーからも、「君はプロジェクトマネージャーとしてかなりトップレベルだ」とお褒めの言葉をもらったこともあるので、ソコソコのレベルなんだと思います。
これは、上司から直接教えてもらったという面もありますが、日々の進捗報告だったり、自分のプロジェクトをすすめるためにどういう段取りをしたらいいかを、ずっと考えていたので、どちらかというと自然に身につきました。
本やセミナーも全く受講したことはありませんが、日々の業務の中で、下記のことに気をつけてプロジェクトマネジメントを行っています。
- キーパーソンを見つけ、その人達と良好な関係を築くこと
- メンバーから良いことも悪いことも教えてもらえるような関係を築くこと
- 仕事はそれぞれの担当者に任せて、リスクが高い状態になるとすぐにステップ・インして一緒に協業できること
- 次のステップではどんな作業が必要なのかを考え、先行して動きはじめること
世界各国の色々な人と働く、グローバルチームのマネジメントスキル
このスキルは、大企業だからこそ身につけることができたスキルだと思います。
大企業は歯車になると心配している人も多いようですが、歯車の中でも、大きなプロジェクトにアサインされて、世界中のメンバーと働くことができるのは、大企業ならではだと思います。
私は、30歳すぎぐらいの頃に、アメリカやヨーロッパ、アジアのメンバーと2年ぐらい働いていました。
その中で色々な国の人達に対して、どうやったら自分がやっていることを彼らが理解してくれて、彼らが動いてくれるのかというチャレンジに何度もぶち当たり、英語力的にも、論理的にも色々と論破されて苦労したのですが、何とか彼らと対等に議論ができるぐらいの度胸はついたと思います。
日本は根回し文化だといいますが、海外もある程度根回し文化のところもあります。
事前に自分の味方となってくれる人を増やしておくかは大切だと、経験から学びました。
特に、アジアの人たちだと、頭の中では色々考えているのに、積極的に発言しない人たちもいるので、そういった人たちの考えも拾いつつ、みんなである程度納得感がある結論にリードしていくというのは、非常に難しかったですが、いい勉強になりました。
成果を論理的に、かつポジティブな言い方でアピールするスキル
これは本当に意外なスキルでした。
これができると、履歴書がうまく書けるようになりますw
大企業に勤めていたときは、半年に1度、評価の査定のために目標とその半年で出した成果をA4・1枚の紙にまとめていました。
その成果の紙が非常に面倒くさい。
数値を使ってかけだの、どんなインパクトがあったかをかけだの、限られた欄の中で、自分がやってきたことを少し大げさに書かなければいけません。
いい加減に書こうものなら、ボーナスは下がるし、昇進も遅くなる、ということで、本気を出して書かなければいけません。
それをわかっているからこそ、課長代理・課長・部長といった錚々たる人たちがその紙を何度も何度もレビューしてくれます。
そのおかげで、私はこういった文章を書くのが、たぶんかなり上手くなっていました。
それに気づいたのは、就職予備校との別名を持つビジネススクールに通っていたとき。
クラスメイトと履歴書(職務経歴書)を交換して、お互いにアドバイスをし合う機会が何回かあったのですが、クラスメイトにアドバイスをしてあげると「お前、なぜそんなにウマいんだ」とよく履歴書のアドバイスを求められていました。
まとめ|大企業で身につくスキルはある
大企業で働いた経験からすると、大企業で身につくスキルはあります。
大企業でなくても身につくスキルでもあると思います。
ただし、大きなプロジェクトを管理したり、グローバルな環境で仕事をするスキルは大企業ならではだとおもいます。
大企業を無駄に嫌う必要もないし、過剰に崇拝する必要もないと思いますが、例えばこんなスキルが身につけられる例として考えていただければと思います。
私の経験から言うと、大企業はスキルもつくし、福利厚生もしっかりしているし、何よりホワイト企業が多いので、よっぽどベンチャーで働きたいというわけでなければ、大企業をオススメします。
大企業でどんな仕事がありそうか、まずは見てみてはいかがでしょうか。
経験&実績さえあれば、中途採用で採用してくれる企業もたくさんありますよ!
もし、キャリアアップのためのスキルアップについて悩んでいるのであれば、専門家に相談してみるのも良いですよ。私も、外部の人に時々相談に乗ってもらっています。