こんにちは、海外就職6年目の「みりん」です。
日米のIT系企業での勤務経験をもとに、自分なりに外国で働くことのメリット・デメリットをまとめてみました。
アメリカで働くと、自分の時間が作りやすい、キャリアパスがコントロールできる、上司に口うるさくマイクロマネジメントされない、等かなり自己責任の範囲が広がります。
一方で、退職金ゼロ、かつ突然クビになる可能性があるため、スキルアップを常に行う必要があるというデメリットも。
また、アメリカでは職種を変えることはかなり難しいので、職種に対する柔軟性は低いです。。
体験談を交えながら、各項目に関してもう少し詳しく説明しています。
海外(アメリカ)で働くことのメリット
一言でいうと、ライフバランスがとりやすいのが海外(特にアメリカ)で働くことのメリットだと思います。
全てが自己責任なので、時間の管理もキャリアパスも自己責任。
うまく管理できる人であれば、メリットが多いと思います。
詳しくひとつずつ紹介していきます。
基本は定時退社!自分の時間が作りやすい
アメリカでは定時退社が普通。
同僚との飲み会はたったの半年〜1年に1回です。
時々、深夜もしくは早朝からの電話会議に付き合う必要がありますが、普段は定時で仕事を切り上げます。
遅くまで会社に残る人はいません。
人によっては15時頃から退社しはじめ、18時には会社は空っぽになります。
同僚の送迎会は歓迎ランチが大半。
自分のプライベートの時間は会社以外のことに使いやすい環境が整っています。
多くの人は携帯電話を持たされており、常にメールをチェックできる状態になっています。
どこでも仕事をできるという良い面もありますが、常に働ける環境があるので、土日も会社のメールを見てしまう、ブラックな面もあります…会社の罠ですね。
日本からアメリカに移ってきたばかりの頃、日本の感覚で午後4時半から会議を設定したことがありましたが、会議時間の設定が不適切という短いコメントと共に、会議への出席を拒否されたことがありました。
当時はショックでしたね。
今は、よほどのことがない限り、夕方&金曜日には会議を設定しません。
まとめると、定時退社が基本原則なので、夕方は自分の時間を確保しやすい環境にあります。
まぁ、ホワイトカラーのお給料には残業代というものがないので、いかに昼間の時間内に仕事を終わらせるかで、自分の時給が変わってきます。
自分のキャリアパスを自分でコントロールできる!
その職種の範囲内であれば、仕事の内容が多少変更される可能性がありますが、エンジニアから営業へ、というように仕事内容が日本のように大きく変わることがありません。
職種や部署を変えたい場合は、自分で新しいポジションに応募して採用してもらう必要があります。
言い換えると、自分で仕事内容をコントロールすることができます。
一方で、この人にはこんな職種が向いてそうだから異動させてみようといった、人事主導の異動がありません。
偶然のマッチングによる新しい才能の発見機会が少ないとも言えます。
アメリカの人事(HR)には、日本の人事のような人を異動させる権限がなく、直属の上司が人事権を持っています。
マイクロマネジメントをしない上司が多い!
色々なパターンがあると思いますが、アメリカ人上司はマイクロマネジメントをする人が少ないです。
仕事の概要と期待する結果のイメージをある程度あわせたら、あとは個人の裁量で仕事をすすめることが期待されます。
お客様や他部署とトラブルになり仕事がすすめられない、等の大きな問題のときにだけ、上司の力を借りることになります。
人によっては、上司の力を借りてばっかりの困った人もいますが…
自分が行っている仕事の内容は、上司にアピールしないと上司が見えていないことが多いので、折をみてアピールすることが必要です。
日本企業だと、特に入社時は、上司や先輩から仕事のイロハを教えてもらえることが多いですが、アメリカだと放任が多い。
アメリカで、上司から指導を受ける機会はかなり少ないので注意が必要です。
意外と大事!自分の仕事場(机)が広い
自分の机のスペースが大きいです。
机の周りにはついたてがあり、自分のスペースがつくられているので、同僚と肩がぶつかりながら仕事という環境ではないです。
と思っていましたが、会社によっては、ついたてがない場合もあるようです。
会社による、というのが正しいかもしれませんが、それでも自分のスペースは日本のときより20%は大きいと思います。
海外(アメリカ)で働くことのデメリット
華やかでメリットばかりのように見える海外就職ですが、デメリットももちろんあります。
日本がうらやましい!祝日が圧倒的に少ない…
アメリカに来て驚いたことの一つは、祝日が少ないこと!
祝祭日数世界1位!日本人は休みすぎ!? | プレジデントオンラインによると、祝日に関しては、日本が17日であるのに対し、なんとアメリカは10日だけ。
有給日数を考慮しても、日本は休暇日数が27日であることに対し、アメリカは24日。
意外にアメリカは仕事を休まないんです。
ただし、日本だとこの時期に休まなければいけないといった暗黙のプレッシャーがありますが、アメリカでは、迷惑がかからなければどんなシーズンに休んでも、あまり文句を言われません。
でも、やっぱりアメリカは祝日が少なすぎます…
なんと退職金がゼロ。老後資金も自己責任…
退職金はありません。
自分で、退職後の資金繰りを考えておく必要があります。
会社によっては401Kという退職資金を貯蓄する仕組みがあるので、主には401Kで老後資金を貯めていくことになります。
401Kも株式や債券に投資しながら運用していくものになるので、最低限の投資の知識が必要です。
私も、「金持ち父さん貧乏父さん」から始まって、いくつかの本を読んで、投資方法について勉強しました…
突然、リストラになる可能性が誰にでもある
個人のパフォーマンスが悪いとレイオフ(クビ)になる可能性は高くなりますが、それだけではありません。
会社の業績が悪かったり、会社の戦略が変わると、部署全体が突然レイオフになることもあります。
レイオフになった場合、出社するとすぐに会議室に呼ばれて上司からレイオフだと告げられ、そのまま同僚に挨拶をすることも許されず会社を去るということになります。
今まで、何度も自分の上司や同僚が突然レイオフにあう場面に遭遇してきましたが、正直、明日は我が身かもしれないと思うぐらい、危機感があります。
従って、アメリカでは、少なくとも半年間の給料がなくても生活できるぐらいの貯金をしておくようにと言われています。
自己責任でスキルアップの努力をしていかなければいけない
会社の制度として大学で学ぶ場合の費用補助はありますが、それ以外にスキルアップに繋がりそうなトレーニングは殆どありません。
こちらに来て強く感じるのは、若くてもミドルクラスでも、個人差はありますが、みんなそれなりに勉強を続けている、ということです。
前の項目でレイオフのリスクは誰にでもあると書きましたが、だからこそ困った時に仕事を見つけられるように、常に努力をし続ける必要があるのだと思います。
大変です…
多くの人が、大学のコースを取ったり、CourseraやUdemyのようなオンラインコースを受けてスキルを磨いています。
個人的なオススメは、手頃な値段で実践的な内容が学べるUdemyです!
違う職種・業界にうつることは、かなり難しい
アメリカでの求人は、即戦力を求めているので、その職種での経験がないと雇ってもらえないどころか面接にも呼ばれません。
職種を変える場合、ある程度関連がある職種であれば、少しずつ変えていくことも可能ですが、日本のようなポテンシャル採用は少ないです。
EngineerからProduct Managerのような製品開発系の仕事に移りたい人を多くみかけますが、ほとんどの人がProduct Managerの面接に呼ばれない!と嘆いていました。
理由は、Product Managerの経験がないためです。
と、職種を変えるには、それなりに戦略的に動いて自分の仕事をスライドさせていく必要があります。
まとめ|日本で働く方が楽だと感じることもあるのが本音。何を海外就職で得たいのかを考えて欲しい。
いかがですか?
日本とアメリカ、お互いにメリット・デメリットがあり、どちらが良いということは一概には言えません。
しかし、実際の状況を知った上で、キャリアパスを考えてほしいなと思い、自分の経験をシェアすることにしました。
私は、今は新しいチャレンジをするために自分の時間が欲しいので、アメリカでの働き方があっていると思います。
が、アメリカで働くことは文化や言葉の違いもあるので、楽しいことだけではありません。
時々、自分はなぜアメリカに来て、こんな嫌な経験をしなければいけないんだろう、とふと思うことが私はあります。
ぜひ、アメリカで働いて自分が何を得たいのかを、事前に考えておくことをオススメします。
それでもチャレンジしたいという方は、ぜひ海外就職にチャレンジしてもらいたいと思います!人生は一度きりですしね。
なにも、海外就職だけが方法ではありません。
日本の企業で働きながら、グローバルプロジェクトに入って活躍するという方法もあります。
そんな方は、世界に進出している日本のグローバル企業で働いてみてはいかがでしょうか。
普段の仕事は日本人と一緒に働きつつ、出張等でグローバルな舞台で活躍するのも良いオプションだと私は思います。
私も最初はこの方法で、海外のメンバと働き始めました。
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